役員退職慰労金を徹底回収するためのご相談窓口|支払われない・不支給への対応

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役員退職慰労金の支払拒否に対し徹底回収する法律相談 株主総会決議がないとして支払拒否された役員退職慰労金を徹底回収

役員退職慰労金は、 「株主総会決議がない」 「前例がない」 「検討する」 などの説明を理由に、会社から支払拒否されることが少なくありません。

退任後は会社内部に関与できず、 同族関係・相続関係・兄弟間対立、 経営権争いM&A後の支配構造変更を背景として、 役員退職慰労金だけが意図的に支払拒否されるケースが繰り返し発生しています。

弁護士法人M&A総合法律事務所は、 このような役員退職慰労金の支払拒否案件を数多く取り扱い、 役員退職慰労金を徹底回収してきました。

役員解任・強制辞任、任期途中退任、 同族会社・非上場会社・オーナー会社・M&A後の会社であっても、 役員退職慰労金は回収の対象となる金銭債権です。

資料が十分に揃っていない段階であっても差し支えありません。 退任に至る経緯と会社の対応を踏まえ、 役員退職慰労金を徹底回収します。

「塩漬け」の
「役員退職慰労金」
徹底回収します

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕です。

弁護士法人M&A総合法律事務所では、役員退職慰労金の回収案件を多数取り扱っており会社から支払拒否された役員退職慰労金を回収してきた実績が非常に多くあります。 役員退職慰労金は、売掛金や未払金と同様、回収の対象となる金銭債権です。

役員退職慰労金の支払拒否が行われる場面では、 会社側が「株主総会決議がない」「前例がない」「検討する」と述べ、 形式論を理由に支払を拒み続けるケースが繰り返し見られます。

特に、役員解任強制辞任、 同族関係・相続関係・兄弟間対立、 経営権争いM&A後の支配構造変更が背景にある場合、 役員退職慰労金が意図的に支払拒否される傾向があります。

弁護士法人M&A総合法律事務所は、こうした支払拒否の構造を前提に、 役員退職慰労金を徹底回収してきました。 企業法務事件で培った紛争実務と、 ファイナンス理論・企業価値評価・交渉実務を踏まえ、 支払拒否を崩す論点と資料の積み上げを熟知しています

役員退職慰労金の支払拒否に対する徹底回収実績が非常に多い法律事務所

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役員退職慰労金の支払拒否する会社特徴

役員退職慰労金の支払拒否は、会社の体質と支配構造に起因して繰り返し発生します。 もっとも、同じ特徴は徹底回収の糸口にもなります。

  • 同族会社オーナー会社で意思決定が集中している
  • 非上場会社で外部の監視が働いていない
  • 株主総会決議を理由に支払拒否を正当化する
  • 株主総会が開催されない、又は形骸化している
  • 役員解任又は強制辞任が先行している
  • 退任後、会社の情報に一切アクセスできない
  • 利益が出ているのに配当が行われない
  • 役員報酬や金銭配分が恣意的に決められている
  • 経営権争いが背景にある
  • M&A後に旧役員が切り離されている

支払拒否・塩漬けの
「役員退職慰労金」

徹底回収します

会社から役員退職慰労金の支払拒否を受けても、 その状態を前提に固定化させる必要はありません。 弁護士法人M&A総合法律事務所は、 役員退職慰労金の回収案件を多数取り扱い無視・塩漬けとされた役員退職慰労金を徹底回収してきました。 役員解任・強制辞任、同族会社、非上場会社、M&A後の支配構造変更が背景にある案件も含め、 役員退職慰労金を徹底回収します。

役員退職慰労金 回収は
実は可能なのです!

以下のような状態に陥っている場合、 「無視された役員退職慰労金は払ってもらえない」 「塩漬けにされてしまってもどうしようもない」 「もう支払ってもらえない」 と受け止めていませんか。

しかし、そのような前提で放置すると、 証拠が散逸し回収可能性が下がる局面が生じ得ます。
そのように考えているのであれば、 今すぐその考えを捨ててください。

  • オーナー家ワンマン社長創業社長又は買収会社のオーナーがトラブルを仕掛けてくる。
  • オーナー家ワンマン社長創業社長対策に大きなエネルギーを費消している。
  • 恣意的に不当な理由で役員を解任する。
  • 役員退職慰労金を支払わない姿勢を明確に示している。
  • 一方的に解任され又は強制退任させられ、会社を追い出された。
  • 関係が悪化し、一切配当をしてもらえない。
  • 自分勝手でワンマンすぎる。
  • 非常に意地悪である。
  • 会社を私物化し、会社資産を食いつぶしている。
  • 他の兄弟姉妹や大株主が、会社の資産を浪費している。
  • 他の兄弟姉妹や大株主が会社を思うがままにし、会社の資金を自分のものにしている。
  • 他の兄弟姉妹や大株主又は買収会社のオーナーを許せない
  • 一矢を報いたい
  • 少数株式とはいえ、これだけの株式を保有していて権利行使を認めてもらえないことに納得がいかない。

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弁護士法人M&A総合法律事務所は
役員退職慰労金を

何度も何度も回収しています

株主総会決議がない」 「前例がない」 「会社が支払拒否している
これらはいずれも、 役員退職慰労金を回収できない理由ではありません

実務上、多くの案件は、 他の弁護士や法律事務所において 「難しい」「できない」「様子を見るしかない」 と判断され、そのまま放置されています。

しかし、 弁護士法人M&A総合法律事務所が関与した案件に限って、 これらと同一の説明がされ、 明確に支払拒否されていたにもかかわらず、 役員退職慰労金は現実に回収されています

しかも、それは一件や二件ではありません。 同種の構造を持つ案件について、何度も何度も回収されています

同族会社・非上場会社・オーナー会社、 経営権争いが生じている会社、 M&A後に支配構造が変わった会社であっても同様です。

役員解任・強制辞任・任期途中退任など、 退任態様を理由に 役員退職慰労金の支払を拒否された案件であっても、 まったく諦める必要はありません

弁護士法人M&A総合法律事務所
支払拒否された「役員退職慰労金」
徹底回収できる理由

役員退職慰労金は、 「株主総会決議がない」 「規程がない」 と説明され、支払拒否されることがほとんどです。 同族会社・非上場会社・オーナー会社や、 M&A後・経営権争いの場面では、 この状態が固定化します。

しかし、弁護士法人M&A総合法律事務所では、 同様に支払拒否されていた役員退職慰労金を、弁護士法人M&A総合法律事務所に限って何度も何度も回収 してきました。 理由は、役員退職慰労金を「お願い」ではなく、 法的請求として成立させる構成を組み立てているからです。

実務上は、形式的な規程や株主総会決議の有無ではなく、 実質的に支給すべき状態であったかが判断の核心になります。

  • 役員就任時・退任時の説明や運用から、支給が前提と評価できる場合
  • 役員報酬設計や退任条件から、対価性が認められる場合
  • 役員解任・強制辞任時の協議経緯から、合意又は合意に準ずる事情がある場合
  • 議事録・社内文書・メール等から、支給方針や算定前提が読み取れる場合
  • 支払拒否が著しく不合理で、信義則違反等と評価できる場合

各種資料や各種状況から実質的に支給すべきを評価される状況に持ち込み、 役員退職慰労金を徹底回収するのです

メール、LINE(ライン)、議事録、社内資料など、 一見関係が薄い資料であっても、 役員退職慰労金回収の決定打になることがあります。 廃棄せず保管してください。

弁護士法人M&A総合法律事務所では、個別事情を踏まえて法的構成を組み立て、 支払拒否された役員退職慰労金を、何度も何度も徹底回収 しています。 「株主総会決議がない」と言われて止まっている段階でも、 直ちに諦める必要はありません。

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ご相談事例

このたび社長を理由もなく不当に解任され、 退職慰労金も支払ってもらえません。 全く納得ができません。 これまでの退任取締役には全員、退職慰労金を支給してきましたが、 私にだけ退職慰労金を支払わないのです。

本当に納得のいかない話だと思います。 オーナーの身勝手としか言いようがありません。 しかし、諦める必要はないと思います。

M&Aで会社を売却しました。 その後、1年間は顧問として事業の引継ぎに尽力してきましたが、 もうそろそろその1年も終わりです。 しかし、買主のオーナーがいきなり 退職慰労金を支払わないと通告してきました。 退職慰労金を払ってもらう約束だったのにですよ。 最近、会社の業績が良くないことが気に入らないようです。

しかし、会社の業績が良くないのは、買主のオーナーが経営能力が低いことが原因です。 そもそも、退職慰労金は会社の業績は関係がないはずです。 退職慰労金規程も存在しています。 買主のオーナーはあまりにも身勝手です。

本当に身勝手ですね。 自分の経営能力が低いことを棚に上げ、 退職慰労金の支払いを免れようとする セコイ経営者はたくさんいます。 しかし、そのようなことが許されてよいはずはありません。 一緒に頑張りましょう。

後継者になってほしいというので、 上場会社を退職してまで、会社の社長を引き受けたのですが、 このたび社長を理由もなく不当に解任され、 退職慰労金も支払ってもらえません。 全く納得ができません。 こんなことなら上場会社を退職しなければよかった。

本当に納得のいかない話だと思います。 オーナーの身勝手としか言いようがありません。 しかし、諦める必要はないと思います。

これまで代々、ファミリーが社長をやってきたのに、 今回突然、他の株主の反乱がおこり、 ファミリーである私は社長に選任されなかったのみならず、 退職慰労金もなく会社を放り出されました

この会社の経営を行ってきたのは我々ファミリーなのです。 株主は、経営に関与せず、配当だけもらっていたに過ぎません。 そのような株主が会社を牛耳ることには 納得がいきません。 退職慰労金を支払ってもらえないものでしょうか。

本当に納得のいかない話だと思います。 お金に目の眩んだ株主は問題が大きいですね。 しかし、諦める必要は全くないと思います。 さらに、そのような株主こそ追い出して、 会社の経営権を取り戻すべきです。 一緒に頑張りましょう。

経営不振に陥った会社を支援して欲しいというので、 清水の舞台から飛び降りた思いで、火中の栗を拾いました。
しかし、いざ、経営再建が進んでくると、 オーナーが手のひらを返し、 会社から私を追い出したのです。

会社を潰しそうになったのはそのオーナーであり、 そのような会社を今の正常な状態に持って行ったのは私ですよ。 退職慰労金の支給もないというのは納得いきません。 しかも、オーナーは、 私が不正をしたといって、会社を使って裁判を仕掛けてきています

本当に納得のいかない話だと思います。 オーナーの身勝手には呆れるばかりです。 しかし、諦める必要はないと思います。 一緒に頑張りましょう。

20年間、社長として会社を経営してきました。 兄は、私より多く株式を持っていましたが、 ろくに会社の経営に関与せず、 株式投資や不動産投資にはまり、 会社に巨額の損失を被らせました。

兄だからと言って、目をつむっていたのですが、 この度いきなり、 社長を解任されました。 兄としては、私から何か責任追及されることを 危惧したのかもしれません。

兄は、会社の経営に関与していませんので、 会社の経営などできるはずがありません。 また、 のらりくらり言って退職慰労金を全く払おうとしません

本当に納得のいかない話だと思います。 兄の身勝手さには呆れるばかりか 怒りさえ感じます。 しかし、諦める必要はないと思います。 その会社の非上場株式もお持ちなのではないでしょうか。 一括解決を目指して</strong、一緒に頑張りましょう。

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弁護士費用の目安

役員退職慰労金の未払い・減額について、 回収(請求)を検討する案件の弁護士費用は、 弁護士費用一覧ページに整理しています。

まずは費用の目安を確認し、 交渉で進めるべき局面か、法的手続を選択すべき局面かを判断してください。

役員退職慰労金の弁護士費用を確認する

「費用の見通し」を先に固めることで、次の一手が決まります。

弁護士法人
M&A総合法律事務所
について

弁護士法人M&A総合法律事務所
〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3-1 城山トラストタワー17階
代表弁護士土屋勝裕(東京弁護士会26775)

 

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    受領した情報の秘密は厳守いたしますので、安心してご相談ください。
    毎日数件の相談が入っておりますので、ご相談は事前予約制とさせて頂きます。

    役員退職慰労金の基礎知識

    「退任にあたって退職慰労金はいくらもらえるのか」「会社から退職慰労金を支払わないと言われたが、どうすればよいのか」――役員退職慰労金をめぐるこうした疑問やトラブルは、決して珍しいものではありません。

    役員退職慰労金は、取締役や監査役が退任する際に支給される金銭です。従業員の退職金と混同されがちですが、法的性質も決定方法も異なります。特に、定款の定めや適法な決議がなければ、原則として具体的な請求権が発生しないという点は、多くの方が見落としがちなポイントです。

    本記事では、役員退職慰労金の基本的な仕組みから、功績倍率法を用いた計算方法、退職所得としての税務処理、支給の手続きまでを体系的に解説します。さらに、退職慰労金が支払われないケースや不当に減額された場合の対処法について、近時の最高裁判例も踏まえながら詳しく取り上げます。

    退職慰労金の計算方法や手続きを正しく理解しておくことは、支払拒否に遭った場合に自分の請求が正当であることを裏付けるための土台になります。退職慰労金の受給に不安を感じている方、あるいはすでにトラブルを抱えている方は、ぜひお読みください。

    役員退職慰労金とは?従業員の退職金との違い

    役員退職慰労金とは、取締役や監査役などの役員が退任する際に、在任中の職務執行の対価ないし功労に対する給付として会社から支給される金銭をいいます。法律上の独立した定義規定はありませんが、一般の株式会社では、取締役の退職慰労金は会社法361条1項の「報酬等」、監査役の退職慰労金は会社法387条1項の「報酬等」に含まれると解されています。そのため、定款に定めがない限り、原則として株主総会の決議が必要です。なお、指名委員会等設置会社では、報酬委員会が個人別の報酬等の内容を決定します。

    従業員の退職金との大きな違いは、会社と役員の間の法律関係にあります。従業員は雇用契約に基づいて会社に雇われていますが、役員は委任関係に基づいて会社の経営を担う立場です。この違いが、退職慰労金の支給要件や手続きに大きく影響します。

    役員退職慰労金の定義と法的性質

    役員退職慰労金は、在任中の職務執行の対価としての性質と、功労に報いる性質をあわせ持つ給付と説明されています。取締役については会社法361条1項、監査役については会社法387条1項の「報酬等」に含まれると解されており、定款又は適法な決議がない限り、具体的な請求権は発生しません。

    この「報酬等」に当たるという点が重要です。定款に定めがない場合、退職慰労金については株主総会の決議を要し、具体的な金額や支給時期等の決定を取締役会に委ねる場合にも、株主総会の決議から支給基準を推知できることが必要です。株主総会で基準を示さないまま、具体額の決定を無条件に取締役会や代表取締役へ委ねることはできません。

    このような規律が設けられているのは、役員自らが自己の報酬を恣意的に決めることを防ぎ、会社と株主の利益を保護するためです。退職慰労金は退任時に一括で支払われることが多いため、通常の月額報酬以上に透明性と手続の適正さが求められます。

    従業員の退職金との3つの違い

    役員退職慰労金と従業員の退職金は、主に次の3点で異なります。

    第一に、決定方法が違います。従業員の退職金は、多くの場合、就業規則や退職金規程に基づいて算定されます。一方、役員退職慰労金は、定款の定め又は株主総会の決議が必要であり、取締役については株主総会決議とその委任に基づく取締役会決議、監査役については株主総会決議と監査役間の協議などを経て具体化されます。

    第二に、請求権の発生要件が違います。従業員は退職金規程の要件を満たせば請求権を取得するのが通常ですが、役員は定款の定めや株主総会決議などを経て初めて具体的な請求権が確定します。退職慰労金規程が社内に存在していても、それだけで当然に会社へ請求できるとは限りません。

    第三に、社会保険料の取扱いが異なります。通常の退職金や役員退職慰労金は、いずれも原則として健康保険・厚生年金保険の「報酬等」には当たらず、社会保険料の算定対象にはなりません。ただし、退職金を毎月の給与や賞与に上乗せして前払いするような場合には、「報酬等」に該当することがあります。なお、税務上は、一定の要件を満たす限り、従業員の退職金も役員退職慰労金も退職所得として扱われます。

    役員退職慰労金のメリット・デメリット

    退職慰労金には、支給する法人側と受け取る役員側の双方に利点がある一方、無視できない注意点もあります。退任役員の立場からは、会社側にどのような利点があるかを知っておくことが、支払拒否に対する反論の材料にもなります。

    法人側のメリット(損金算入・社会保険料の対象外)

    退職慰労金は、支給する会社にとっても税務上の利点がある制度です。法人が支給した役員退職慰労金は、適正額の範囲で損金算入の対象となり、課税所得を圧縮できます。また、通常は社会保険料の算定対象にもならないため、法人側の負担を抑えられる面があります。

    こうした利点があるにもかかわらず退職慰労金の支払いを拒否してくる会社は、税務上の損失を自ら受け入れてでも支払いたくないという意思表示をしていることになります。また、同族会社や非上場会社では、オーナー経営者の引退に伴う資金移転の方法として退職慰労金が活用されることが少なくありません。

    役員側のメリット(退職所得控除・1/2計算)

    退職慰労金を受け取る役員にとっては、税制面で一定の優遇があります。退職所得には退職所得控除が適用され、原則として控除後の金額の2分の1が課税対象となります。ただし、役員等としての勤続年数が5年以下である者に支払われる「特定役員退職手当等」については、この2分の1計算は適用されません。給与所得や事業所得に比べて税負担が軽くなる場合が多いものの、勤続年数や支給方法によって取扱いが異なる点に注意が必要です。

    さらに、退職所得は原則として他の所得と区分して課税されるため、多額の報酬を受けていた役員であっても、退任時の手取りを確保しやすいという特徴があります。老後資金や事業承継後の生活資金を準備する観点からも、退職慰労金は重要な意味を持ちます。

    法人側・役員側のデメリット(資金繰り圧迫・株主総会紛糾リスク)

    法人にとっては、退職慰労金の支給が資金繰りを圧迫する可能性があります。特に中小企業では、数千万円規模の退職慰労金を一括で支払うことが財務上の重荷になることがあります。

    また、株主総会での決議が必要になるため、株主構成によっては議案が否決されるおそれもあります。株主間で対立がある場合や、退任役員と残存役員の関係が悪化している場合には、決議が紛糾し、退職慰労金が支払われないという事態に発展することもあります。

    役員側にとっても、会社の規程、株主構成、過去の支給慣行によって受給の見通しが大きく左右されます。「長年会社に尽くしたのだから当然にもらえるはずだ」と考えていても、法的には直ちに請求できない場面があるため、退任前から支給の根拠を確認しておくことが大切です。もし退任後に支払拒否を受けた場合でも、規程の有無、過去の慣行、就任時の説明などの事情次第では請求の余地がありますので、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

    役員退職慰労金の計算方法と功労加算

    役員退職慰労金の金額を算定する方法には、主に「功績倍率法」と「1年当たり平均額法」があります。多くの会社で採用されているのは功績倍率法です。計算式自体は比較的分かりやすいものの、功績倍率の設定や功労加算の有無によって最終的な金額は大きく変わります。退職慰労金の支払拒否や減額に遭った場合、自分が本来受け取るべき金額の目安を把握しておくことは、交渉や請求において大きな意味を持ちます。

    功績倍率法による計算式と具体例

    功績倍率法の基本的な計算式は、次のとおりです。

    役員退職慰労金 = 退任時の最終月額報酬 × 役員在任年数 × 功績倍率

    たとえば、最終月額報酬が100万円、在任年数が20年、功績倍率が3.0の場合、退職慰労金は100万円×20年×3.0=6,000万円と算定されます。功績倍率が2.4であれば4,800万円、2.2であれば4,400万円となり、倍率設定によって最終額が大きく変わります。

    功績倍率法は、最終月額報酬と在任年数という客観的な要素を基礎にしつつ、役職や功績を功績倍率に反映させる考え方です。そのため、同じ在任年数でも、代表取締役と平取締役では支給額に大きな差が生じることがあります。

    功績倍率の相場と役職別の目安

    功績倍率は各社が自由に設定できるものではありますが、税務上の適正性が問われるため、同業種・同規模の他法人における支給水準との比較が重要になります。

    過去の裁判例や税務解説では、社長3.0、専務2.4、常務2.2、平取締役1.8、監査役1.6前後といった数値が参考として示されることがあります。ただし、これらは法律上の基準ではなく、あくまで一例です。適正な倍率は、会社の規模、業種、役員の貢献度、退職の事情、同業類似法人の支給状況を踏まえて判断する必要があります。

    退職慰労金を減額された場合や、提示された金額に納得がいかない場合は、この相場観を手がかりに、本来受け取れるはずの金額を検証することができます。会社側が示した功績倍率が合理的な根拠なく低く設定されているのであれば、その不当性を指摘する材料になります。

    功労加算(功労金)の仕組みと加算の考え方

    功労加算とは、会社の業績向上や経営の安定化に特に大きく貢献した役員に対して、基本の退職慰労金に上乗せして支給する金額です。創業者である代表取締役や、経営危機の局面で会社を支えた役員などに対して検討されることがあります。

    功労加算について、法令上の上限や一律の相場が定められているわけではありません。規程例の中には一定割合を上限とするものもありますが、税務上は功労加算を含めた総額の相当性が厳しく見られます。加算部分に客観的な根拠が乏しい場合には、過大な役員退職給与として損金算入が否認されるおそれがあります。

    功労加算を行う場合は、退職慰労金規程に加算の要件、判断要素、決定機関を明記しておくことが重要です。どのような功績をどの資料に基づいて評価したのかを、株主総会議事録や取締役会議事録等に残しておかなければ、後日に説明が難しくなります。退任役員の立場からは、自分が功労加算の対象になり得る功績を挙げてきたのに、それが計算に反映されていない場合、加算分も含めた請求を検討する余地があります。

    1年当たり平均額法による計算

    1年当たり平均額法は、次の計算式で退職慰労金を算定する方法です。

    役員退職慰労金 = 類似法人の役位別1年当たり平均退職金額 × 役員在任年数

    この方法は、自社の最終月額報酬が低い場合や、功績倍率の設定だけでは妥当性の説明が難しい場合に、補充的に用いられることがあります。ただし、「類似法人」のデータを把握することが容易ではないため、功績倍率法に比べると利用の機会は限られます。

    会社が功績倍率法で算定した金額が著しく低い場合に、1年当たり平均額法による試算を対置して金額の不当性を指摘するという使い方もあり得ます。どの算定方法を採用するにしても、後から合理性を説明できるかどうかが重要なポイントになります。

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    役員退職慰労金にかかる税金と確定申告

    役員退職慰労金は、所得税法上、原則として「退職所得」に分類されます。退職所得には他の所得と比べて税負担を抑える仕組みが設けられており、これが退職慰労金の大きな特徴です。退任役員にとっては、自分が受け取る退職慰労金に対してどの程度の税金がかかるのかを把握しておくことが、手取り額の見通しを立てるうえで欠かせません。また、法人側にとっても損金算入の可否が法人税額に直結するため、その要件を理解しておく意味があります。

    退職所得の計算方法(退職所得控除と1/2計算)

    退職所得の金額は、原則として、次の計算式で算定されます。ただし、役員等勤続年数が5年以下の者に支払われる特定役員退職手当等については、この2分の1計算は適用されません。

    退職所得 =(退職慰労金の額 - 退職所得控除額)× 1/2

    退職所得控除額は、役員等勤続年数に応じて異なります。勤続年数が20年以下の場合は「40万円×勤続年数」(最低80万円)、20年を超える場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算します。

    具体例を示します。在任年数25年、退職慰労金6,000万円の場合、退職所得控除額は800万円+70万円×5年=1,150万円です。退職所得は(6,000万円-1,150万円)×1/2=2,425万円となり、この2,425万円に対して所得税及び住民税が課されます。退職慰労金6,000万円がそのまま課税対象になるわけではないため、給与所得として同額を受け取る場合に比べて税負担を抑えやすくなります。

    法人側の損金算入が認められる要件

    退職慰労金の請求を検討するにあたり、法人側の損金算入の要件を理解しておくことは、交渉上も意味があります。会社が支払いを渋る際に「税務上の問題がある」と主張してくることがありますが、要件を知っていれば、その主張が妥当かどうかを見極めることができます。

    法人が支給した役員退職慰労金は、適正な額である限り、損金算入の対象になります。ただし、法人税法34条2項により、不相当に高額な部分は損金不算入とされます。

    損金算入の可否を判断する際には、株主総会決議などにより退職金額が具体的に確定していること、退職の事実があること、支給額が同業類似法人と比べて不相当に高額でないことなどが重要になります。もっとも、役員が分掌変更により常勤から非常勤へ移る場合や、報酬がおおむね50%以上減少した場合など、実質的に退職したと認められる事情があるときは、在任中でも退職金として扱われることがあります。

    損金算入時期は、原則として、株主総会の決議等によって退職金額が具体的に確定した日の属する事業年度です。ただし、実際に支払った事業年度において損金経理をしたときは、その支払事業年度で損金算入することも認められます。金額が確定する前に未払金へ計上しただけでは、直ちに損金算入できません。

    つまり、退職慰労金を適正な金額で支給することは、会社にとっても法人税の負担を軽減できる合理的な選択肢です。「会社に余裕がない」「税務上の問題がある」といった説明で支払いを拒否された場合は、これらの要件を踏まえて、会社の主張が本当に合理的なものかを検証することが大切です。

    確定申告の要否と「退職所得の受給に関する申告書」

    退職慰労金を受け取る際に「退職所得の受給に関する申告書」を会社へ提出した場合、会社が所定の方法で源泉徴収を行うため、退職慰労金については原則として確定申告は不要です。

    一方、この申告書を提出しなかった場合は、退職慰労金の額に対して20.42%の税率で源泉徴収されます。この場合、正規の税額との差額を精算するために確定申告が必要になります。退職所得控除や、原則として適用される2分の1計算などを正しく反映させるためにも、確定申告を失念しないことが大切です。

    役員退職慰労金の支給手続きと株主総会決議

    役員退職慰労金の支給を受けるためには、会社法に基づく所定の手続きを経る必要があります。手続に不備があると、支給そのものが争われたり、税務上の損金算入に影響が及んだりするおそれがあります。「当然もらえると思っていたのに、手続の問題で支給が止まった」という事態を避けるためにも、全体の流れを理解しておくことが重要です。また、退任役員の立場からは、会社が所定の手続きを適切に履行しているかどうかを検証するための知識にもなります。

    支給手続きの全体フロー

    役員退職慰労金の支給手続きは、役員の区分によって若干異なりますが、一般的には次の流れで進みます。

    まず、会社内部で、退任する役員に退職慰労金を支給するかどうか、支給基準をどのように考えるかを検討します。次に、株主総会を開催し、退職慰労金の支給に関する議案を上程して決議を得ます。取締役については、その後、株主総会から適法に委任を受けた取締役会で具体的な金額、支給時期、支給方法を決定することがあります。監査役については、株主総会で定められた枠内で、各監査役への配分を監査役の協議で定めるのが通常です。最後に、決定した内容に従って支給を実行します。

    この手続の中で最も重要なのは、株主総会の決議です。定款の定めや適法な決議がなければ、原則として退職慰労金の具体的な請求権は発生しません。

    株主総会決議の方法(普通決議と一任決議)

    退職慰労金の支給に必要な株主総会決議は、一般に普通決議で足ります。すなわち、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数の賛成があれば可決されます。

    株主総会では、支給する金額を直接決議する方法のほか、退職慰労金規程などの支給基準を示した上で、具体的な金額の決定を取締役会へ一任する方法がとられることがあります。ただし、この一任決議が有効といえるためには、株主が支給基準の内容を推知できる状態にあることが必要です。基準を何も示さないまま、単に「詳細は取締役会に一任する」とするだけでは足りません。

    監査役についても、株主総会の関与が必要である点は同じです。ただし、監査役の個々の支給額については、監査役間の協議で定める構成になることが多いため、取締役と同じ手続で考えないよう注意が必要です。

    退任役員の立場からは、自分の退職慰労金に関する株主総会決議がどのような内容であったか(一任決議か直接決議か、支給基準が示されていたか)を確認することが重要です。一任決議の内容や手続に不備がある場合には、その後の取締役会決議の有効性にも影響が及ぶ可能性があります。

    退職慰労金規程がない場合のリスク

    「自社には退職慰労金規程がないが、過去に退任した役員には慣例で支払ってきた」という会社は少なくありません。しかし、規程がない状態で退職慰労金を支給することには、複数のリスクが伴います。

    まず、支給の根拠が不透明であるため、退任役員と会社の間で金額をめぐる争いが生じやすくなります。規程がなければ「いくらもらえるのか」が双方にとって不明確であり、期待と現実のずれが紛争の原因になります。

    また、株主総会で一任決議を行う際に、株主が支給基準を推知できないとして、決議の有効性が争われるおそれもあります。さらに、税務上も、支給基準が不明確なまま恣意的に金額を決めたとみられれば、損金算入を否認されるリスクが高まります。

    ただし、「規程がない=退職慰労金を一切請求できない」という意味ではありません。過去の支給慣行、就任時や退任時の説明、支給を前提とした会計処理、株主構成などによっては、会社側の不支給主張や関係者の責任が争点となることがあります。規程がないことを理由に一方的に支払いを拒否された場合でも、それだけで諦める必要はありません。規程がない事案ほど、個別の事情と証拠の確認が重要であり、弁護士への相談をお勧めします。

    役員退職慰労金の廃止と近年の傾向

    近年、役員退職慰労金制度を廃止する企業が増えています。退任役員にとって注意すべきなのは、この「制度廃止」を理由に退職慰労金の支払いを拒否されるケースがあるという点です。廃止の背景には企業統治の強化や報酬の透明性に対する要請がありますが、廃止されたからといって、廃止前の在任期間に対応する退職慰労金まで当然に消滅するわけではありません。

    上場企業で廃止が進む背景

    上場企業では、2000年代以降、役員退職慰労金制度を見直す動きが広がってきました。近年は、コーポレートガバナンス・コードの定着や役員報酬開示の充実を背景に、退任時の一時金よりも、在任中の固定報酬、業績連動報酬、株式報酬の組合せを重視する会社が増えています。

    背景には、報酬と企業価値との連動性や、株主に対する説明可能性を高めようとする要請があります。退職慰労金は、在任中の業績との関係や算定根拠を個別に説明しにくい場面があるため、上場会社では、短期の賞与や中長期の株式報酬へ配分を移す動きがみられます。

    非上場の中小企業では依然有効な理由

    上場企業で見直しが進む一方、非上場の中小企業では退職慰労金制度を維持している会社が多く存在します。これは、中小企業にとって退職慰労金が持つ利点がなお大きいためです。

    退職慰労金は、一定の要件を満たせば退職所得として扱われ、退職所得控除や、原則として2分の1計算の適用を受けます。もっとも、役員等としての勤続年数が5年以下である場合など、2分の1計算が適用されない例外もあります。法人側でも、支給額が不相当に高額でない限り損金算入の余地があり、通常は社会保険料の算定対象にもなりません。そのため、企業統治上の説明責任が比較的問題になりにくい非上場会社では、なお活用される場面があります。

    さらに、同族会社やオーナー企業では、役員の退任と事業承継が密接に結び付くことが少なくありません。長年会社を支えてきた経営者に対する退職時の処遇として、退職慰労金制度が分かりやすく機能する場合もあります。

    制度廃止時に注意すべき税務上の落とし穴

    退職慰労金制度を廃止する場合に特に注意したいのは、在職中の役員に対する打切支給の税務上の取扱いです。

    制度廃止に伴い、引き続き在職する役員に対して退職慰労金相当額をその場で支払うと、その支給が退職所得ではなく給与所得として扱われることがあります。退職所得であれば退職所得控除や2分の1計算の恩恵を受けられますが、給与所得になると課税関係が大きく変わります。

    この問題を避けるためには、制度廃止の時点で直ちに現金を支給するのではなく、廃止日までの在任期間に対応する支給見込額を株主総会で決議した上で、実際の退任時まで留保する方法が検討されます。打切支給としてその場で支払えば給与所得と扱われ得る一方、退任時まで留保した未払金等については、退任時の退職所得として処理できる余地があります。

    退任役員の立場からは、制度廃止の際に会社がどのような手続きを踏んだか(株主総会決議の有無、留保か打切支給か、会計上の処理)を確認することが重要です。制度廃止を理由に一切の退職慰労金を支払わないという対応が許されるとは限りません。会社の対応に疑問がある場合は、弁護士に相談されることをお勧めします。

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    役員退職慰労金が支払われないケースと対処法

    ここからは、退職慰労金をめぐるトラブルの中でも、特に深刻な「支払われない」ケースについて解説します。「長年会社に尽くしてきたのに、退職慰労金がもらえない」という状況は、退任役員にとって経済的にも精神的にも大きな打撃です。しかし、一見すると受け取れないように見える事案でも、会社の規程、株主構成、過去の支給実績、退任時のやり取りなどによって、法的な評価が変わることがあります。

    退職慰労金が支払われない5つの典型パターン

    退職慰労金が支払われない場面は、おおむね次の5つに分けて考えることができます。ご自身の状況がどの場面に近いのかを確認してみてください。

    ①退職慰労金制度(規程)がそもそもない場合

    会社に退職慰労金規程や役員委任契約上の取り決めが存在しない場合、会社側は「制度がないから支払えない」と主張してくることがあります。しかし、それだけで直ちに結論が決まるわけではありません。過去に退任した役員へ慣行的に支給していた場合や、就任時又は退任時に会社側から支給を前提とする説明がされていた場合には、その経緯が請求を検討するうえで重要な意味を持ちます。

    ②株主総会で不支給の決議がされた場合

    株主総会で退職慰労金を支給しないとの決議がされた場合、形式的には退任役員の請求権は発生しないのが原則です。しかし、就任時や退任時の説明、支配株主や代表者の関与の態様、過去の支給慣行などによっては、不支給決議の合理性が問われる場合があります。また、会社に対する直接の請求が認められなくても、不支給を主導した関係者の責任が争点になることがあります。

    ③取締役会で不当に減額された場合

    株主総会で「退職慰労金規程に従い取締役会に一任する」との決議がされたにもかかわらず、取締役会が規程の趣旨に反して大幅な減額を決定することがあります。取締役会には一定の裁量が認められますが、その判断が株主総会の委任の趣旨に照らして不合理であれば、裁量権の逸脱又は濫用が問題になります。減額後の金額と本来の基準額の差額について、損害賠償を請求できる可能性があります。

    ④不当解任後に退職慰労金を拒否された場合

    正当な理由なく任期途中で解任された場合、会社法339条2項に基づき、解任によって生じた損害の賠償を会社に請求できる可能性があります。このとき問題となるのは、残任期間中の役員報酬だけではありません。事案によっては、任期満了時に支給を受けられた蓋然性が高い退職慰労金相当額も争点になります。

    ⑤株主総会・取締役会が開催されない(ワンマン会社の場合)

    代表取締役や支配株主が事実上すべてを決めている会社では、形式的な株主総会や取締役会が開催されないことがあります。そのような会社では、「株主総会の決議がないから請求権がない」という形式論が持ち出されやすくなります。

    もっとも、ワンマン会社では、形式的な決議の不存在だけで直ちに結論が決まるわけではありません。支配株主や代表取締役の関与の程度、支給を前提とした通知や会計処理の有無、過去の支給慣行などによっては、会社側の不支給主張や関係者の責任が争点となります。

    株主総会の決議がない事案で問題となるポイント

    原則として、定款の定め又は株主総会決議がなければ、役員退職慰労金の具体的な請求権は発生しません。もっとも、訴訟では、全株主の同意があったか、株主総会決議に代わる実質があったか、会社側が支給を前提とする言動を重ねた結果として不支給主張が信義則に反しないかなど、例外的な事情が争点になることがあります。

    たとえば、全株主の同意が認められる場合には、株主総会の決議があった場合と同視し得ると考えられています。また、退職慰労金の支給を前提とする社内規程、過去の支給経緯、会社側の説明、会計処理などが存在する事案では、会社側の不支給主張や返還請求の可否が争われた裁判例があります。

    もっとも、これらは直ちに「株主総会決議がなくても会社に対する請求が常に認められる」ことを意味するものではありません。どの法的構成で請求又は抗弁を組み立てるかによって結論は大きく異なり、会社に対する直接請求が認められる場合もあれば、支配株主や関係者の不法行為責任、信義則違反、権利濫用の成否が中心的な争点になる場合もあります。

    そのため、株主総会決議がない事案では、規程の有無だけで結論を出さず、株主構成、過去の支給実績、就任時や退任時の説明、議事録、内容証明、決算書の記載などの証拠を丁寧に確認することが重要です。「株主総会決議がない」と言われた段階で諦めるのではなく、個別の事情を弁護士とともに精査することが、退職慰労金の回収に向けた第一歩になります。

    不当解任と退職慰労金の関係

    取締役の解任は、株主総会の普通決議によっていつでも行うことができます。しかし、「いつでも解任できる」ことと、「解任しても何らの責任を負わない」ことは同じではありません。正当な理由のない解任については、会社は解任によって生じた損害を賠償する義務を負います。

    損害賠償の中心になるのは、解任されなければ任期満了まで受け取れたはずの役員報酬です。もっとも、それにとどまらず、任期満了時に退職慰労金の支給を受けられた蓋然性が高い場合には、退職慰労金相当額が争点になることもあります。どこまでが損害として認められるかは、規程の内容、過去の支給慣行、株主構成、任期の残り、解任の経緯などによって左右されます。

    「正当な理由」が認められるかどうかは、個別事情に応じて判断されます。法令違反や著しい職務懈怠が問題になる場合もありますが、単なる経営方針の対立や人間関係の悪化だけでは、直ちに正当な理由があるとはいえないことがあります。不当解任と退職慰労金の不支給が重なった場合は、請求額が大きくなることもあるため、弁護士と連携して慎重に対応を検討すべきです。

    【最高裁判例】退職慰労金の大幅減額と取締役会の裁量(令和6年7月8日判決)

    退職慰労金の減額をめぐる重要判例として、最高裁令和6年7月8日判決があります。

    この事件では、元代表取締役の退職慰労金について、内規に基づく基準額が約3億7720万円と算定されましたが、取締役会は、在任中の行為が会社に重大な害を与えたとして、減額規定を適用し、5700万円に減額する決議をしました。

    最高裁は、株主総会の委任を受けた取締役会には一定の裁量があるものの、その判断が株主総会の委任の趣旨に照らして不合理である場合に限り、裁量権の逸脱又は濫用が問題になると示しました。その上で、本件では、利害関係のない弁護士等で構成された調査委員会の報告を踏まえ、取締役会で相当程度の実質的審議が行われていたことなどから、5700万円とした判断は不合理ではないとしました。

    この判決は、内規に減額条項があり、調査や審議の手続も整っている場合には、取締役会の減額判断が有効とされ得ることを示したものです。他方で、減額理由が不明確であったり、手続が不十分であったりする事案まで当然に正当化するものではありません。減額の有効性は、規程の文言、事実認定、調査過程、取締役会の審議内容を踏まえて判断されます。

    退職慰労金を不当に減額された場合は、減額の理由、内規の内容、手続の適正さなどを弁護士とともに精査し、請求の可否を検討してください。

    退職慰労金の不支給・減額・不当解任でお困りなら弁護士にご相談ください

    役員退職慰労金の基本的な仕組みから計算方法、税務上の取扱い、支給手続き、そして支払われない場合の対処法までを解説してきました。退職慰労金の計算方法や手続きを理解しておくことは、支払拒否に対して自分の請求が正当であることを主張するための土台になります。

    退職慰労金をめぐる問題は、退任役員の生活基盤に直結する重大な問題です。退職慰労金が支払われない場合でも、事実関係や法的構成によっては請求や反論が認められる余地があります。「もう手遅れかもしれない」と感じている方も、まずは弁護士に事情を伝えることが解決への第一歩です。

    弁護士に相談すべき3つのケース

    以下のような状況にある場合は、弁護士への相談を検討してください。

    1つ目は、退職慰労金を支払ってもらえない、または不当に減額されたケースです。株主総会で不支給となった場合や、取締役会で大幅に減額された場合でも、手続の適法性や裁量権の逸脱が争点になることがあります。「株主総会決議がない」「規程がない」と言われただけで諦める必要はありません。

    2つ目は、正当な理由なく解任され、損害賠償請求を検討しているケースです。会社法339条2項に基づく損害賠償では、残任期間中の役員報酬が中心的な問題になりますが、事案によっては、任期満了時に支給を受けられた蓋然性が高い退職慰労金相当額も争点になります。

    3つ目は、会社の支配権争いや親族間の対立に巻き込まれ、退職慰労金が交渉材料にされているケースです。同族企業における相続や株主間紛争の中で退任を迫られた場合、退職慰労金の問題が他の紛争と連動していることが少なくありません。このような事案では、退職慰労金だけを切り離して考えるのではなく、関連する法的問題を一体として見ていく必要があります。

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